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2006年次日本島嶼学会佐渡大会 開催要項

一大会テーマ:「しま、その今日的課題」−


  2006年次 日本島嶼学会佐渡大会 
一 大会テーマ: 「しま、その今日的課題」 −

主催: 日本島嶼学会
共催: 佐渡市・日本佐渡学会・新潟自治体問題研究所
後援: 新潟県佐渡地域振興局・NPO法人しまみらい振興機構

1.趣旨

社会と経済のグローバル化が大きく進む中で、しまは今、その社会の縮図として、き
わめて先鋭な形でひずみが現れている。そこに暮らす住民と自治体は広がる格差社会
の中でみずからの暮らしを見つめ直し、たぐいまれな、そして個性的なしまの自然と
文化・歴史風土の中で、時代の流れを切りひらこうとしている。私たちはしまの研究
者集団として、これらの住民・自治体と手を携え、ともに語らう中で島びとの思いを
自らの思いとして、ともに歩むことに喜びを見いだしてきた。あらためて、その初心
に返り、これまでの調査・分析の中で見いだしてきた今日的課題を多面的に提示し、
深め合う場としたい。
しまの自然環境はそれぞれ個性的である。今回、大会を開催する佐渡は日本海東縁中
部にあって、対馬暖流に洗われる。植生を初めとする豊かな生態系はこの暖流の影響
を深く受けている。その中で、長くいのちの命脈を保ってきたトキは今多くの人々の
様々な思いと努力の中でふたたび大空に舞う日を迎えようとしている。そして、その
日を迎えるためには島の人々の暮らしをも念頭に置くことが求められている。豊かな
自然生態系といえども、島は島である。ひとたび、これを破壊すれば、その復旧は本
土に比して遙かに困難を極める。
しまの文化と芸能、歴史も隔絶されていたからこそ個性豊かであるとともに、海を介
しての世界へのつながり、島と島のつながりをも映し出してきた。文化・芸能の今日
的伝承もまた島びとの望みであり、夢でもある。島嶼学会大会は、香りの豊かな、そ
して一方で消えかけているしまの歴史と文化をあらためて掘り起こし、確認する場で
もある。
社会と経済のグローバル化の中でしまにおけるもっとも今日的課題として、そこに暮
らす人々の福祉と医療をどうとらえ、保障していくかは、行政として、また、医療・
福祉に携わるものとして、避けて通れない課題となっている。複雑で多様な問題をは
らむこの課題について本大会があらためて一つの提言を島嶼学会がまとめる契機にな
ればと願う。
今日の社会・経済状況の中で、しまの今日的課題を少しでも前進的に切りひらくため
には、如何にその内在的力を見いだし、育て、発展させるかが問われている。大会を
多くの島びととそして行政・研究者が互いに語り合える場にしましょう。
なお、大会基調報告は事前調査(6月20日〜22日)、プレシンポ7月29日(島
名以外関係者52名出席)を踏まえ、島根大学名誉教授保母武彦先生に作成・提案いた
だきます。


2.期 日

2006年9月22日(金)午前9時15分開会、23日〈土)午後5時閉会:総会と講演
* 開始・終了時刻などは講演申込数など全体の企画・進行によって変動の可能性あり。

22日6時半 懇親会
24日(日)見学会(自然環境コース;文化と歴史コース)
*但し理事会は、前日21日(木) 午後3時から開催します。


3.場 所

@総会・講演会場:(9月22日・23日)
     佐渡島開発総合センター   
     佐渡市両津湊198   (佐渡汽船両津港徒歩5分)  

A懇親会    22日午後6時から8時半  
会場:オンデコドーム (佐渡の海産物・野菜バーベキュー) (大会会場から徒歩10分)
    *鬼太鼓のパフォーマンスも予定しています


4.見学会

@ 自然環境コース(案内: 三浦慎悟新潟大学フィールド科学センター佐渡ステーション教授 神蔵勝明佐渡高校教諭)
    
23日(土) 午後5時45分 佐渡総合開発センター前集合 マイクロバスにて宿へ移動
宿泊: 民宿桃華園 (塩釜風呂) 佐渡市金井新保乙1636-1
(Tel:0259-63-2221 Fax:0259-61-1051)
    
24日(日) 午前8時半 桃華園発→午前9時新穂トキ保護センター見学 → 午前11時キセン城(里山・棚田再生対象地)見学・昼食(弁当) → 午後1時15分出発 → 午後2時15分乙和池探勝 → 午後2時45分出発 → 加茂湖 車中から遠望 → 両津港3時45分解散

見所:トキに関わる諸施設と自然環境並びに日本最大の浮島を持つ大佐渡山地稜線近くの湿原

A 文化・歴史コース(案内: 山本修巳 元佐渡高校教諭・福嶋徹夫 元新潟県水産研究場長 平田 弘之  桃華園)
    
23日(土) 午後5時45分 佐渡総合開発センター前集合 マイクロバ
スにて小木まで移動
            宿泊: 花の木  TEL:0259−86−2331
    
24日(日) 午前8時15分宿出発 → 8時30分佐渡国小木民俗博物館 → 9時10分佐渡市宿根木伝統的建造物群 → 10時30分 大膳神社 →10時50分妙宣寺 →11時45分真野御陵 → 12時20分真野宮  → 昼食(真野:そばや) → 14時長谷寺 →本間家能舞台 → 15時40分両津港
着・解散 ・・・・・・・・・・
   
見所:佐渡の文化・歴史を町並み保存の宿根木や、流人に関わる寺社などについて見学。


5.総会・大会関連スケジュール

大会前日 21日(木) 午後1時 会場設営:  実行委員 会場集合 会場設営

午後3時 理事会開催 (ホテル 天の川荘)
午後7時 理事並びに実行委員懇親会
(ホテル 天の川荘 Tel: 0259−27−3215)

第1日 22日(金)   午前8時45分   受付開始

午前9時15分  開会
@大会実行委員長開会宣言
A学会会長挨拶
B開催地佐渡市長挨拶
午前9時45分  大会基調講演
「希望のもてるしまをどうつくるか」
保母 武彦 島根大学名誉教授
   午前11時15分 セッション1 「しまの自然環境と産業」
   記念講演 「トキの野生復帰,エコツーリズムの可能性を求めて」
三浦 慎悟 新潟大学農学部フィールド科学センター教授
   午後0時15分  昼食休憩
   午後1時15分  関連する研究発表
@前畑明美 法政大学大学院
  架橋化に伴う島嶼空間の変化と海上空間の特性
  −沖縄県古宇利島の事例をもとに−
A金田憲久 元明治大学大学院
  バス事業を通した中心市街地の活性化
  −佐渡市両津地区のバスターミナル導入の検討−
B奥野一生 大阪府立大和川高校
 北海道・本州日本海側離島の航空交通
   休憩3時半頃〜3時45分
C大城肇  琉球大学
  人間活動と海域環境問題     
D長嶋俊介 鹿児島大学多島圏研究センター
  道の島々における総合環境とセンサーゾーン形成の意義
E常松典子 鹿児島県立短期大学
沖永良部島における学校給食への地場産品導入に向けての試み
F西村富明 鹿児島県立短期大学
  奄美群島における補助金政策の検証

午後5時00分 総会
午後6時終了予定
午後6時15分 〜8時半 懇親会 (オンデコドーム)
 
第2日 23日(土)
   
午前9時 セッション2 「島の医療と福祉」
     記念講演: 「離島佐渡における医療と福祉の諸問題−
佐渡に育った個人的体験を通して」
山本 正治 新潟大学大学院医歯学総合研究科教授
   午前10時 関連する研究発表
@橋本昌子 NPO佐渡総合プロジェクト
  健康・安心・安全 
−佐渡高齢社会(医療・介護から見る)−
A上川克枝 奈良女子大学博士後期課程
  豊島の福祉の系譜
  休憩 10時50分〜11時00分
B宮薗夏美 鹿児島大学医学部 
  インドネシアのプライマリヘルスケアとインドネシア版母子手帳の一考察
C ○森 隆子(鹿児島大学大学院保健学研究科)児玉慎平・波多野浩道(医学部)
 小規模島嶼における看護師の職業保健学
D○大湾明美 呉地祥友里 佐久川政吉 宮城重二 沖縄県立看護大学
  沖縄県H島における住民主体の地域ケアシステムの評価(第12報)
  −介入5年後の高齢者の生活変化−

   午後0時15分 昼食休憩
   午後1時  セッション3 「しまの文化・歴史」
    記念講演 「佐渡と上方・江戸」  山本 修巳 元佐渡高校教諭
   午後1時45分 関連する研究発表
@兼光秀郎 上智大学名誉教授
  河村瑞賢(及び北前船航路)についての考察
A前利潔   知名町役場
  沖永良部島民の移住史
  休憩2時35分〜2時50分
B鈴木勇次 長崎ウエスレヤン大学
離島振興法における地域指定の検証
C井上由香 NPO法人しまみらい振興機構
  佐渡島で考える、地方分権時代の教育
D室岡 啓史 東京理科大大学院(建築系・共同研究)
  佐渡ヶ島におけるパーマカルチャーアイランドとしてのブランディング手法
に関する研究

   午後4時半から 佐渡市に設ける文化関連研究所の構想について 意見交換
 石瀬佳弘前教育長(予定) 佐渡市伝統文化研究所構想の趣旨
   10分程度
 討論者(自由討論ですが各自最大各5分以内厳守でお願いします)
      司会:長嶋俊介

   午後5時半終了
      見学会参加者 移動 宿泊
  
第3日 24日(日)  見学会 2コース


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